研究主任3年間にひとくぎり

ふりかえってみれば、クラスづくりと同じ事をやっていた仕事でした。全員の授業をみにいって、研究協議をして。その指導をいただいた言葉をまとめて、算数スタンダートにしていく。ビーイングに大切なことをかき集める言葉を授業からみつけてくる、そんな2年間でした。

うえから降ってくる研究はいやだなぁと思っていたのですが、教育効果としては上意下達で言われてやるのも、自分たちからやるのもそうそう学習効果に差がないとエビデンスがでているようです。苦笑。

けれども、自分たちの体験からうみだしてきた算数の知恵をまとめたものを本校の算数スタンダードにできた、そのプロセスに意味があると勝手に思っています。その指導者として2年間ずっとつきあってくれた、教頭先生と一緒に相談しながらやってこれた教務主任には感謝です。そういうのもあって、来年度からまた2年間、算数を研究し続けていこうと決まったんだと思います。

研究主任の仕事は1学期が一番頭を使いました。なにをするわけでもないんだけど、いつも「次、なにやろっかなー」ってもんもんとしていました。実際には、できるだけ年間の研修日を入れてもらうところから始まり、ゴールをつくって、ゴールにむけた各学年の評価を明確にして、検証方法を学年で提案していく。それにあわせて、新学習指導要領の情報提供を毎研修でミニレッスン。今年は、カリキュラムマネジメントの練習として、単元をまるまる研究することで、単元の1時間目、なか、終末(今回は、ここで問題づくりを提案できたのがうれしい)。と大きく3つに分けてそれぞれで、できる授業をしました。

校内課題研究には、研究授業よりいいものはあるかもしれません。理想は、みんなそれぞれがやりたい研究をしながら、交流しつつです。が、今の学校で大きく変えて、大きな不安やできない人をうんでしまうよりも(やりたいことがない!と言われたこともありました…)、全員が参加しながらも少しずつ変わっていける学校に少しは貢献できたのかもしれません。

ただ、本当は、年間3人ぐらいは、ずっと先生をサポートし続けるようなかかわりをしたかったと思っています。それは、時間的なものもあり学年内でしかかなわず。そういうモデルをしめせれば、また学校の学びのイメージがかわっていく機会をつくれたのかもしれません。まだやれそうなこともありそうです。

そのなかでも、学年の先生でいっしょに「研究編」を読んだ経験は、とても楽しかったです。実は、教材っていいこと書いてあるんですね。ちゃんと読まないといけないなと、みんなで反省でした。3年前に同じ先生と学年を組んだときは、こんなときが来るとはおもってもみませんでした。今後も、そういう時間を単元ごとに続けられると理想ですが、それはかないませんので、ほそぼそと情報交換しながら続けていこうと思います。

よく話し、よく意見交換してきた2年間だったなぁ。やり方を変えれば、もっとうまく場を作れたのかもしれませんが今のオイラの精一杯でした。ずっとつきあってきてくれた先生達に、ありがとうです。さて、また2年間の算数。どうなるのでしょうか。そして、子ども達にどんなものが届くのか楽しくなりそうです。

あ~、しんどいこともあったけど楽しかった。

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数学者の時間 子ども達の研究がおもしろいな

 

今日は土曜授業日。土曜日も子ども達と研究ができる幸せ。授業時数増えるのばんざい!!(うそ) 現状で、時数だけ増やしてもみんなしんどくなるだけでしょうね。でも、習熟に時間のかかる子には、ちゃんと時間を確保してあげられるといいな、と思っています。

1時間目は漢字50問テスト。そこから、作家家/読書家の時間。3時間目に数学者の時間。「漢字50問、いよいよだ~!うげえ~~~!」とか、なんだかんだいっても漢字テストも楽しそうでした。そして、これまにない成長をみせてくれました。ほっと一安心。来週からは「パーソナルパー漢字練習」http://igasen.blog22.fc2.com/blog-entry-564.htmlに進む予定です。

★★★

数学者の時間は、それぞれの研究テーマがきまり、ゴールに向けて探究中。今日はいくつかのプロジェクトのカンファランスが続きました。


教室に大きな円を描くプロジェクト

空き教室に円の軌跡を描こうと取り組んでいるので、写真をとりに見に行きました。すると、前回は白いビニールテープで貼ってみるものの、円とはほど遠く…。円の描き方からふりかえり、今は教室の床に鉛筆(どれが後で消せるのかいろいろ調べた結果の鉛筆)で描いてました。今日はみんなそれぞれの研究に忙しいのか、一人で黙々とやっていて、中心を押さえるのは重ねられた本でした。どんな半径の大きさがでてくるのか、予想とぴったりか楽しみです。

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マイナスのかけ算プロジェクト

ー8×ー2=ー16と結論づけていましたので、声をかけました。「ー8×2は?」と尋ねると、「ー8が2個分で、ー16かな。あ、ー8×ー2も、ー8×2も答えが一緒になっちゃった」となったところで、一緒に数直線を書いてみました。0より左に8個分。それが2個でー16これは納得。でも、マイナス2倍って?うーん。数直線じゃ表せないよねぇ。というか、そもそも-2個分ってなんだ?となり、ここはオイラも、研究している少年も引き続き考えることにしました。まずは、-8×2の証明からすすめていくようです。放課後、職員室で、算数好きな先生と話をしていると(彼は意図的に巻き込まれています笑。空き時間をオイラがチェックして、その時間に子ども達が相談しにもいってます。しめしめ)、中学校での-2のかけ算の意味をそもそもオイラたちが知らない。週末の宿題としました。

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+-×÷プロジェクト

その子は、四則計算をしたいと式の混合を考えてます。計算機を使って答えを出すことはできました。でも、それが正しいのか確かめることがよくわかりません。そもそも、×÷が先で、+-があとにやるってことは4年生で取り組むはず。4年生の教科書をわたして、読んで理解することもできますが、それはやめました。ただ、やり方を知ることが大切ではないから。オイラが「買い物場面で問題文にしてみらたら?」と尋ねると、いろいろ苦心して考えてみたようです。でも、国語が苦手!文章題にならないので、一緒に読みながら「わかっていること」「もとめること」を確認。特に、「わかっていること」がこの四則計算のみそ。やっぱり、文章問題はつくりにくいので、わり算を抜かした+-×の文章問題からにしました。ここから、かけ算を先に計算することが発見できたら、おもしろくなりそうです。

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新しい角をみつけるプロジェクト

このあいだのうずまき少年。うずまきに直線を一本真ん中に引いて、360度+360度+360度=1080度と話してくれました。ふむふむ。まだ、角の概念がはっきりしていないようで、直線と直線にはさまれた広がりを再確認。すると、曲線と直線に挟まれた角に目をつけはじめました。これってスゴイ発見だよな!オイラ、その角の名前は知りません。わくわくしてきました。

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地球の自転回数を数える大きな数プロジェクト

「地球の年齢を、46億年と平成30年として計算してみると~」と説明してくれました。こうやって、わからないことを仮説を立てるってオモシロいな。「1年は365日なので~」と、どうも答えがだせそう。筆算で0をなんども書き出すにはページが大変!計算機でも、位がたりないので計算できない!そして、この間やった、そろばんをつかっていました。そろばんは桁数が多いとのことで。こういう試行錯誤、すきです。「もう、自転回数はでそうだね。次はどうする?」とふりかえりをなげかけると、「地球の秒数を調べてみよっかな」と広がりをみせてくれました。

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一方、無限の数×無限の数プロジェクト

無限の数には0が64こ?つくので、それ以上はないとつきとめてました。∞×∞には、新しいシンボルをつくろうとしています。∞億とか。おもしろい!数に表そうとする発想。でも、チームワークに決裂により、解散の危機に瀕しています。どうなるのでしょうか。うまくいってほしいです。

★★★

さて、こういう学びをしていると、毎回、感じることにがあります。子ども達は頭では分かっていることを実際にやってみようとすると、その操作性が未熟のため、または道具がないため、そのマネジメントにすっごい時間がかかってしまうことです。果たしてこれでいいのでだろうか。操作の不手際では、本質的なテーマに焦点をあてて思考している感じでもなさそうで、あまり学びになっていないのかも知れないと思えてしまいます。

でも、一概にそうともいえないのかも。その道具の操作やつくる作業(校章を円で描くビックコンパス)の失敗を繰り返しながらも、どうやったらうまくいくのか、「考えて」います。あきらかに、教科書でしばった授業よりも恍惚に。その作業を通して、少しずつ概念を獲得していってるかもしれません。ここのところはバランスなのかな。できれば、マネジメントの時間は少なくして、じっくりと思考する時間にあてたい!のは教え手のエゴでしょうか。

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今後、ワークショップで探究を続けていくにはこういう試行錯誤できる「余白の時間」をどう、価値づけていけるか?ここは必要になってきそうです。

あ~、楽しかった!!!!!!!

う~ん。感情がじゃましていた。けど、子どもに助けられてたことを知った。

 

朝、職員室の前。二人の少年にまちぶせされて、「イガせん!おはよー!」とあいさつをもらいました。あぁ、昨日、最近の朝のあいさつについて、ちょっと小言をいったことを覚えていた子たちなんでしょう。わざわざ、「名前+先に!」と言いに来てくれました。オイラも「おうおう、おはよー。嬉しいなぁ。そのあいさつは。わざわざ言いにきてくれたんだ」と。そのあとにこっそりやった「おっしゃ!勝った!」とガッツポーズをオイラは決して見逃しませんでした。「コラコラそりゃちがうぞ。勝ち負けでは~」と、一日が始まりました。でもまぁ、朝からほっこりと幸せな気分でスタート。打てば響く。気持ちのいい子ども達だなぁ。

算数はいよいよ最後の学年のまとめ。それぞれ、「わかる、わからない」を自己評価しながら、自己採点もふくめ進めているステップへ進んでいます。

ある子が「イガせん、教えて」と声をかけてきてくれました。「お、いいぞいいぞ」と。一緒にはじめてみると、問題文を読まずに答えようとしていることがわかりました。「はて、読むのがめんどくさいからかな?」と思って、一緒に読み始めてみると、「あぁ、やっぱり」と分かったことがありました。

問題文に記述されている意味が追えないようでした。「P95の★2でまとめた表は~」とあると、まず、95ページと★2の情報を使うことまで気づくのですが、表となると、すぐ目に入るページの表と勘違いしてました。やっぱり、読むその支援をもっとしていかないと!って思ったのですが、その子は、問題の意味さえ分かるとすいすい進んでいってしまいました。「ひとりでできたー。イガせん、ありがとう。算数、好きになっちゃった」って嬉しそう。なんか、そういう顔を見ると、また明日、いっしょに勉強しようってこっちが素直に思えるようになり、子どもにきっかけをもらったな、と思うのです。

子どもは、読めないからできないなんてこともなくて、力尽くというか、これまでの日常生活体験や使える力を総動員してやっているんでしょう。けれども、教室で学んでいると、周りにはそうはなかなか見えにくい。というか、怠けているにしか見えてこないことも。その子がそういうわけではないのですが、怠けている子にせっせと個別に教えることに、オイラは「感情的な抵抗」が生まれてしまいます。もちろん、できないからわからずについサボってしまっていることもあります。また、純粋にサボっているときも、いやだなぁと。思ってしまい、わざわざ声をかけて踏み込んでいくのを重くしている気持ちがあります。

個別カンファランス(ひとりひとりにあわせて教える)って、授業の構造上、先生の体が空いているから可能とかそれだけではなくて、なんかこうもっと「感情的」なものが大きく占めているはずです。教師だから全員を平等に!とはいうものの、案外、教えやすい子に流れていることはないだろうか。そんなことを考えてしまいました。

うーん。あるかもしれません。オイラも人間だし。気持ち的に教えにくい子が存在してはいけない、とはおもうけれども、そう、うまくいかないことだってあります。ほかの先生たちや親は、こういう感情はどうやって、のりこえていってるんでしょうか?

オイラは、今年、子ども達からよく「おしえてー」って声をかけてもらい、そういう子が多かったので、オイラの持つ感情バイアスを彼らはまったく気にもとめずに、子ども達のほうから、越えてきてくれて助けてもらっていました。

今日、声をかけてきてくれた子は「よくなりたい」って思っていたにちがいありません。これまでの学習態度に引きづられずに「よくなりたい」そういう願いにアンテナをはっていられる先生でありたいなぁ。

感情的なものが、大事な場面で自分を左右していることがわかりショック。あと2週間で学年末。今まで取り組んできたことの成果でもあり、課題をつきつけられています。明日は、土曜授業日。オイラから積極的に声をかけていこうと思うのです。その子が声をかけてきてくれたように。

う~ん。しょぼくれん。


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1年間の保護者アンケートをもらって、保護者とのつながりについて思うこと

 

今年も、保護者アンケート(注:写真)をいただきました。じっくり読んでみると、かあちゃん、鉛筆で書いてじゃなんども消したりしている!きっと、何度も悩んだんでしょうね。ほんと、うれしいかぎりです。だからこそ、一番、子どものことを考えている保護者からの感想、フィードバックは一番ひびきました。

このアンケート、オイラにとって一年間のご褒美で宝物みたいなものでもあり、耳の痛い話から自分を見つめ直すメッセージでもあります。オイラが大切にしてきたことで成長している子もいるし、ぜんぜん思ってもみないことで成長している子もいることがわかり、教育って、学習者が何を学ぶかは分からないものだなぁ、とも思うのです。

今回また、学年の先生みんなで取り組めたのがよかったです。職員室で「何枚でている?」なんて、話題になり、フィードバックをもらうことの価値について自然と話し合うことができました。そう、味を占めて、教頭先生にも「来年度の学校アンケートこういう記述式のがいい!」って進言、選択式の委員会から降りてきたアンケートはあいまいで答えづらいので、これを使ってって、お願いしておきました。変わるといいなぁ。これなら、先生自身のやっていることのふりかえりになるので、効果絶大なのに。

保護者の方からは、率直な意見をたくさんいただけてほんとにありがたいものです。先日の保護者会でも感じたのですが、やっぱり教室での学びはひとりひとりに寄り添ったものでないといけないなって。保護者ひとりひとりの願いはみーんなちがいましたので。

でも、なんでもお願いを受け入れてしまうこととは少し違う。オイラ達大人は子ども達に、ついついなんでもできるスーパー小学生を期待しまいがちです。できることはできてあたりまえ。できてないところを矯正したくなってしまうので、課題をどんどんみつけていってしまうマインドへ。そして、先生ってそういう思考に陥りやすいです。だから、保護者会もそのマインドが反映して、課題を出し合うような場になりやすいんでしょう。あぁ、反省。

そうではなくて、その子の今持っているよさをもっと活かしていきたい。そして、不適応を起こしているところについては、失敗しながらも変わっていけるといい。そう思います。

その子の発達のためだからこそ、先生と保護者といっしょに何ができるのかを考え、関わり続けていける、だからチームになれるんじゃないでしょうか。学校は保護者からの御用聞きでもなく、逆に不適応行動を家庭のせいにする必要もなくなるはずです。

でも、その成長には、もやもやというか、不安というか、めんどくさいというか、新しいチャレンジが伴います。オイラも「こんなにまかせてできるかな」と思うこともしばしば。そして、同じように保護者の方も感じているはずです。そういう不安の気持ちをうけとめて、クレームにしてはいけないんだろうな。

そういう不安のトンネルを先生と保護者で一緒に越えていく、そういうことができたとき、子どもはすすすん!と成長してる。ふりかえってみるとそうくことが多いなと思います。それは、いい関わり方がヒットしたからというよりは、地道に一緒に考え、かかわり続けてきたから。細々と連絡帳でのよかったことのやりとりや面談での願いの共有とか。

逆に、それができないときは、オイラが耳をもたないとき。自分が正しいと推し進めてしまっているとき。うまくいくときもあるけれど、やっぱり子ども達、全員によりよく届くことはありませんでした。

巧妙に事前に保護者へ「学びの責任は子どもにあります。だからまかせていきます」と伝えてみても、きっと、不安をあおることだけかもしれません。美しい言葉でおしすすめても、その内情が子どもに丸投げだったりして、結局、苦しむのは子どもです。子どもが変わっていく姿に勇気づけられて、保護者も、そしてオイラ先生自身も変わっていけるんだと思います。

保護者との願いをどうつながっていくのか。それには、話題にすること。そして、やっぱりフォローとサポートが必要でした。これは子どもの学びだけではなく、保護者にたいしてもちろんそうで。そしてまた、オイラ、先生に対してもそうでした。その意味では、本当に理解してもらい、助けてもらえたと思えて、ありがたい一年間だったなぁと思います。

 

保護者からの1年間のフィードバックをもらいに行こう

http://igasen.blog22.fc2.com/blog-date-201703-4.html

 

1年前はかなり、びびってアンケートをもらいにいったんですね(笑)。そのころから比べてみると、オイラは変われたなって思います。あのチャレンジがあったからこそ。 LAFTの仲間、ノブさんのおかげです。今度は、学期毎にできるといいなと思う。来年度はそうありたいな。 

保護者アンケートのリソースは、PLC便りが紹介していたブログからです。 

Reflecting All Year Long by Katherine Sokolowski

https://www.choiceliteracy.com/articles-detail-view.php?id=1840

 

なにはともあれ、おうちの方々に恵まれてるなーって思いました。

あ~、楽しかった。

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先生の仕事が楽しいとき。子どもの分からないに出会えたとき

 

理科では最後の単元「ものの重さ」がはじまりました。てんびんや実験道具をいくつか手わたし、しばらく彼らはそれらをいじくりながら「質問作り」をはじめました。

テーマは「ものの重さ」です。道具を最初に渡してから質問作りをすると、その質問を規定してしまわないかと心配もありました。でも、重さのイメージが持ちやすい方を優先しようときめました。測りたい物や測る道具をさわったり、比べてみたりしながらの質問作り結果、そのほうが、3年生の子ども達にはヒットしてました。

「あと2つ質問でねー!」って。質問は10個ほどつくってもらっています。たいてい、6個を過ぎたあたりから、オリジナリティ溢れるおもしろい問いが生まれてきます。またはまったくその逆で、これまでのパターンの延長か。ここに、その子らしさとか、視点の良さみたいな光るものが見えてきます。う~ん!と頭をもしゃもしゃしながら知恵をひねり出す時間、オイラはけっこう好きです。

しばらくしたら女の子二人が話しかけてきました。

「イガせん、砂粒ひとつだけ、測りたいんだよね」

「おお~、それって、おもしろいじゃん。どうしてそう思ったの?」

「砂粒ってさ、重さがないでしょ。だから、10粒集めたら重さが出てくるかな?って思う」

「えええええ!!1粒じゃ重さないの!? じゃぁ、9粒だと重さはどうなってんのよ?」

「うーん…。少し重さがあるだと思う…」

「へぇー。そりゃ、おもしろいねぇ。じゃぁさ、重さが生まれてくるのを調べてみたいんだね」

「うん。そうなの。だから、gより小さいはかりないかなぁ」

子どものもっている概念って、ほんとオモシロい。だって、ものが軽かったり、小さかったりするものは「重さがない」って思っている。でも、その重さなしがいくつか集まると少しずつ重さを持ち始める。重さとは、0か1ではなく、グラデーションをもつと。

でも、実際そうだよなぁ。子どもってこれまでの実体験の中でしか、概念を獲得していないから。日常の中では、砂粒1つなんて、重さを感じないんだしね。だから、「ない」って思っているんだろう。でも、「ある」って知ったらどんな顔するだろうかなぁ。

このやりとりを横で聞いていたもう一人の女の子が

「空気にだって重さはあるんだよ。だって、1,2年生のふしぎって本にかいてあったよ!」

って「説明」してくれました。それを聞いていたオイラは、う~ん、と思い「それってさ、自分で確かめたわけじゃないから、ほんとかどうかわかんないじゃん」ってちょっと突っ込んでみました。

「イガせんはさ、こないだインターネットは正しくないのが多いかもしれないけれど、本は編集しているから信じていいんだよ、って言ってたじゃん」と、ピシャリとやられました。

でも、ここでいいたいことは、そういうことじゃないんだよなぁ。なんか、等身大の今もっている知識を、そういう読んだり、TVで知った情報だけで「分かった気」になっているのはなんかちがう。いや、もったいない。これから、オドロキの実験ができるかもしれないのに。それを奪われちゃって、しかも、知ったふりをしているってことが。でも、これは読書をすることを否定することじゃないんだよね。

その後の会話は、

「じゃぁさ、その重さがあるって空気も、実際に測れて確かめられるといいねぇ。風船とか膨らますとどうなる?」

「ガスのやつはうくよ。でも、口でふくらませたのはおちるかな」

って。話がつづいていきました。

 

その話を聞いていた男子が

「なにいっちゃってんの?砂粒ひとつにだって重さあるにきまってんじゃん!」

ってつっこんできました。おしゃべりしてた女の子は、少しムッとした顔をしてました。さて、どうなるかな~?

一斉指導では、こういう一人一人の持つ、未成熟な概念に沿った探究をデザインすることは構造上難しいと思います。でも、全体で、みんなでそれぞれの意見を交流しあうことで、刺激し合って学びが加速するよさがあります。このへんのバランスをうまくとって、個々にあった授業進度と全体との交流をとっているのがワークショップ授業。ミニレッスンがあり、それぞれの活動があり、共有・ふりかえりと、とてもよくできているなと思います。

 

なんか、先生やっていて、おもしろい瞬間って、こういう子どもの姿に触れられたときだな、と思いました。まだ、確立されていない間違った概念。でもそれは、ここまでの等身大の体験知。それを十分に使って、新しい教材に挑んでいく。そういう純粋さにふれると、なんか子どもっていいなぁと思います。そして、子どもってこう思っているんだ。ってあらためて発見です。

それを、「この学習のゴールはここで、今の君の実態はここだから、こんな方法があるよ!とアドバイスし、あと授業は何時間!」って無理にストレッチしてしまうことばかりに興味がいってしまってて。よりよい教育とはなんであるか!?と理想を追求しはじめる反面、オイラはうっかり足下を見失っていることも多い。できない、わからないといった子どもの等身大に、興味をもっておもしろがったり、いっしょに考えたり。ここって教室にいる楽しさの根っこかもしれません。

子どもの持つそういう純粋さにふれて、先生の仕事に立ち返れた気がしました。なんでもできる子を期待するのなんて、こっちの都合だよなぁって、おもえてきて。できなかったり失敗したり、つまづいたり、そういう子ども達の姿がいとおしくもなりました。いっしょに、ぐるぐるぐるぐる迷ったり、考えたりするプロセスを大切にしたいです。それが、きっと、寄り添うことだと思います。そして、そういうことをしている先生こそが、子どもから学べるんだろうな。

あ~、楽しかった。

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