子どもたちに会うと原点にもどれるんだなぁ

学校現場で勤務する前には、教育相談室で働いていました
不登校児童生徒の適応指導教室の指導員という役割でした

当時の子どもたちは小5〜中3
毎日6人ぐらい、多いときには10人ほどの子どもたちが通ってきていました

当時、私は新卒
子どもたちとかかわれる仕事に本当に生き生きしていました
私の企画するとっぴょうしもないことや、おもしろそうなこと、やりたいことをとことんやらせてもらいました(今でも尊敬する上司です)

田植え、稲刈りにはじまり
古民家で宿泊体験をして肝試しをしたり(あの雨戸を壊したのは私です)
芋掘り、焼き芋、餅つき、親子クリスマスパーティー、山登り、干し柿作り、
遠足という名のとしまえん、蛇や亀、フナやザリガニなど捕まえたり、本当に楽しかった
挙げ句の果てにトン、チン、カンというニワトリを3羽飼いました
(テラスで飼っていたため鶏糞でずいぶん苦労をかけました)

うってかわって日常はというと、イベンタリーなことはとくになく
いっしょにおしゃべりしたり、運動したり、唄歌ったり、勉強したり、登校したり、喧嘩したりの日々

そして、子どもたちに悩んだり励まされたり
関係を作って関係の中で人はいやされ、力をつけて育っていくことを体験的に学びました
そこでの思い出や体験から得た知見は私の土台となっています


そんな子どもたちとは今でもずっとつながっていて
年に数回、声をかけてくれる関係はずっと続いています

今では、その子たちはすでに20代半ばを越え、それぞれの家庭を築き始めています
先日、ある子からメールをもらいました
「仲間に3人目が生まれたから出産祝いにいこうよ」

当時、相談室に通ってきた子たち(といってももう大人ですが)が数人集まり生まれたばかりの子に会いにいきました
小さい、本当に小さいおさるさんみたいな赤ちゃん
私の手の上でいろんな表情をみせ、いつまでみていても飽きさせませんでした
しばらくぶりでみるその子はすでにきっぷのいいお母ちゃんになっていて、たくましさを感じさせられました

その後、安い居酒屋で当時の思い出話に花を咲かせました

しかし、飲み会の席ではいつものふんいきとはちょっと異なり
当時の自分の不登校だった頃の思いや考えていたことについてぽつぽつと語り始めました

お互いの痛みや苦しみ、悩みを知っているだけに、説教臭いことなど何一つ無く
じっくり聴いています
それぞれの思いや、当時の親への思い、そして親になったからこそ思う子どもへの願い
とても貴重な話をしてくれました

「あのとき、一人の友達がいたから行くことができた」
「一人にしておいてほしかった」
「両親といっしょにいたかった」

この声をきくだけも、不登校と行っても千差万別
ひとくくりに語ることはできないもの
そして、不登校を経験してきた子たちは、今、手に職をつけ
それぞれの家庭をもち、働き、自分の人生を生きている
ちょっとだけ回り道をしたかもしれないけれど、その分、大事な仲間と出会えることができた

不登校というと、行き先不安で先の将来も心配
でも、実際そればかりでもなさそうで、しっかりと自分の足で自分の人生歩いている子が育っている

それは、学校社会にうまく適応することよりも、自分と向き合うことをずっとしつづけていたからこそ、今があるんだと思います
この不登校を経験した子たちだからこそ、今現場で悩んでいる子たちに話をしてくれる、そんな場があるとどんな個性を持った子たちでも幸せに暮らせるはずなのに
つながってほしいなと思う

また、ある時代、そのときだけ、うまく行かなくって学校に行けなくなる
友達関係、家族関係、勉強のこと、いろいろ原因はあるかもしれないけれど
学年で進級していく学校の仕組みの中では、なかなかやり直せるチャンスがありません

こういう学校の仕組みにとても疑問を感じています
多様性、それそれのタイミングで胸を張って生きていくことができる学校教育であってほしく、もっと、人として自然な学校社会でありたいと願っています
もっと、それぞれ個性的に生きやすい社会になりたいものです

こういった問題意識は今の自分の教室実践の根底にあるんだと改めて気付きました



私の原点はやっぱりここにあることを再認識
この子たちとたまに会って話をするたびに、自分の原点に回帰することができます
本当に好きだった子どもたちだし、苦労もしただけに
今、こうやっていっしょに昔のことをふりかえることができるって幸せなことだと思います

でも、この子たちにとっては常に不安や心配を抱えていた時代
そんな鬱積された時代ではなく、学校がもっと幸せで開かれていること
自然であること

ひとりひとりみんなちがっていいじゃんって
ひとりひとりのペースで生きれるってことが幸せ
そんなことを伝えていきたいなぁと感じた夜でした

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Comment

昭和の香り | URL | 2012.10.17 21:25
ご無沙汰しております。
先生のお話しは、職業は違うとはいえ、自分にとっても勉強になります。
原点…日頃の生活、また現実に追われ、
『この仕事を始めたきっかけ』
『この家庭を持った幸せ』
大事なものを忘れてしまいがちです。
自分は日々感謝の気持ちを持ち、過ごしていこうと心がけています。
良い思い出も、嫌な思い出も、全ての思いが今の自分を形成している。
全てに対して感謝です。

>多様性、それそれのタイミングで~個性的に生きやすい社会になりたいものです…
うまく表現できませんが、今の教育の場は、平均を良しとする、ような考えで物事が進んでいる気がします。
息子が中学に入学し、特にそれを感じます。
個性的な人を、協調性が無いと判断する世の中、自分は疑問に思います。
さて息子ですが、2学期の中間テストが終わり一息付いているようです。
野球部に入部し、毎日汗をかき、お陰さまで元気に中学生活を送っています。
最近では口も達者になり、息子に教わる事すらあります。
半端な終わり方ですが、またお邪魔します。
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