その2 石川晋さんのクラス訪問から実践へ「対話型ギャラリートーク」 



子どもたちの彫り版画が完成したので
1時間目に対話型ギャラリートークで鑑賞をしました

対話型ギャラリートークは美術絵画の鑑賞方法の一つ
石川晋さんクラスを参観したとき、散文詩の鑑賞に活用していました
これは、これまでのレクチャー中心のギャラリートークとはちがったもので
対話を軸に考えや気づきを交流します
つまり、「おしゃべり」をしながら各作品を鑑賞するものです
晋さんの授業でのギャラリートークをみたとき、対話しながら、ゆったりと気持ちを話し合ったり、気付いた点を話し合える安心感がありました
私は、こういった自然な雰囲気の中で学ぶこと、自然であることが今、必要なんだと感じています
対話型ギャラリートークの詳細は石川さんの新刊(予定?)をお楽しみに

私はそれに価値のインストラクションを加え
3作品(ひとつめは意見の出やすそうなもの、2作品目は自分たちのもの、3つ目は校内展示作品)
見て回りました
学校の中には、子どもたちのたくさんな芸術品がならんでいます
さっそく張り出した子どもたちの彫り版画の作品を鑑賞しました

1 自分のお気に入りの作品を選びソロで鑑賞
2 気付いた点をペアで話し合う
3 全体で気付いた点などをシェアする
以上の1~3を3クール
4 ソロで『1/3(三分の一)ふりかえり日誌』に記入
「全体で発表できなかったけど伝えたいこと、友だちからの気づき、感想」

鑑賞を通して、子どもたちの中にゆったりとした対話が生まれました

はじめるにあたって、価値のインストラクション
「君たちは素直な感動する心を小さい頃からもっています
一人一人の中には、芸術作品を観る種があるんですね
それは耕せば耕すほど、芸術やものごとを観るすばらしい眼が育ちます
 絵を見て感動したりする心、それはとっても尊いもの
そういった感動体験は人生を豊かにしてくれます
その種を育てて行くには、たくさんの作品にふれること、そして、感じたことを色んな人と話し合うことです
 今日は、その練習をしていきましょう」

最初は、自分の考えや発見を述べることに躊躇している子もいましたが、
2クール目ぐらいからはどんどん作品のオモシロさがみつかり
みんなで共有したい!
こんな発見したよ、と
伝えたい気持ちが込み上がってくるようでした

また、2時間目の最初に、子どもたちの感想を何人かピックアップして読み上げました
「図工の楽しさがよくわかった。図工はうまいへたがなくて楽しいです」
こういうことへの気づきっていいなぁと話をしました


このような鑑賞方法を取り入れようとしたのにはもうひと方の大きな影響があります
それは、千歳市立北斗中学校の山崎正明さんとの対話
北海道中の移動はとても長いもの(地元の人たちに言わせると10km程度はすぐ近くといいますが)
そのなかで、子どもたちの感性を育てることの価値についてとてもすばらしい話を聞いたからです
そして、薦められた本の一つが昨日届きました



まだサラっとしか読んでいませんが、子どもたちの素朴な発想を見事に拾い上げている感じ
付属のDVDも楽しみです

感性の話をすると今から5年ほど前のこと
前任校でいっしょだった数野昌雄さんが話をされたことが忘れられなく心に残っています
「うーん、決して上手ではないんだけど、子どもたちの表現する力を見事に引き出している先生がいるんだよ」
その方はどなたなのかは分かりませんでしたが
「子どもの表現する力」がずっと残っていました
それは、その頃の私は、県美術展で県知事賞といった受賞をもらい少なからずとも上手に描くことの価値に傾きかけていたからでした

一方で山崎さんは言います
「子どもの感性をうばってしまう指導はいけない。へたっぴな作品には感性がある」
と、子どもの絵の発達段階を書いてくれました
点から斜線、それがいつしか○になり、しっかりとした○に、そして手足が生えた頭足人
「あ~、知ってる知ってる学生の頃勉強したなぁ」
と思っては見るものの、それを子どもの絵を理解するところにはとどいていない学習だったことがわかりました

「こういった絵をへたっぴとしてバカにしてはいけない」
山崎さんはだれもが同じように大人のいう上手な絵を描けるようになることに価値を置いてはいません
子どもの中に感性を育てていくことが大切だと
そのために、「教科書はよく読むこと」と繰り返し話されていました(山崎さん自身も教科書編集に携わっています)
よく読めば上手な描かせ方や作り方に走るアヤシイことはまったくかかれていてないといいます
単純に教科書をよく読んで研究してほしいとのこと

その山崎さんの授業を
「イナゴのようにやってきて、イナゴのように去っていく」子どもたちだと言い表していました
http://suponjinokokoro.blog112.fc2.com/blog-entry-1116.html
(石川晋さんのブログ「すぽんじのこころ」より)

どん欲に表現することにどっぷり浸かれる子どもたちを育てていることにとても興味がわきます
ちなみに、山崎さんの中学校では「私にとって価値のあるもの」を表現する授業などをやっているそうです
ぜひ観に行きたいものです(あと5年以内!)

感性を育てるためにも芸術教育はとても大切な立場であると考えています
それは、日本の教育現場では、言語能力・論理能力へ偏っているからです
テストなどはそのもっともですね
やはり、教育って、テストや読み書きだけではないなぁと
もちろんリテラシーとしては最低限必要ではありますが

マルチプルインテリジェンス(以下MI)について学習するとその子どもの能力の豊かさに驚きます


この本はMIを小学校現場に活用した本ではすばらしく、廃盤なのがもったいないですが…

MIの考え方はとくに小学校現場に必要だなぁと感じています
ちなみに、その種類は
①言語的知能     Linguistic Intelligence
②数学的・論理的知能 Mathematical-Logical intelligence
③身体的・運動的知能 Bodily-Kinesthetic intelligence
④リズム・音楽的知能 Musical intelligence
⑤空間的・視覚的知能 Spatial-Visual intelligence
⑥対人関係の知能   Interpersonal intelligence
⑦内観の知能     Intrapersonal intelligence
⑧自然・環境の知能  Natural-Environmental intelligence

子どもの中にはたくさんの才能、種があります
そういう能力、知能を高めていくためにも、教育はかかせません
図工で言えば、誰もが同じように上手な絵を描くことでは決して必要なのではなく、子どもの中に「表現したい」って気持ちや「表現することやいいなぁ」という感性をどれだけ引き出せるか、育てられるかです
「教師の関わり」「仲間との関わり」はとても大切になってきますね

幼い頃からバランスよくどの能力ものばしていく機会は豊かな感性をはぐくみ
よりクリエイティブな能力を身につけるためにも必要です

では才能は伸ばすことはできるのでしょうか?
才能は最初からもって生まれたものではなく、時間をかけて身につけたことのようです
モーツァルトもそう、幼いうちから一流になるためたくさんの時間をかけて練習をしています
「1万時間の法則」でしたっけ?
『天才!』の本に詳しくのっていますが



ですから、学校ではそれらの能力をバランスよくのばしていく教育の機会が必要です
そして、その練習の質(図工で言う描く巧みな技術のみではなく)が問われています



2時間目の図工では光を使った作品「あかりたちのゆめ」をつくりはじめました
30分ほどランプや色セロハンを使って遊び、色々な工夫やいたずらもしました
「もう~はやくつくりたーい」とうずうずしています

「図工は導入が大切」っていう山崎さんの言葉がとてもよくわかります
なるほどこういう気持ちになるからこそ、
人の作品を安易にマネしたりしないで(創造的にマネることはOK)
自分の表現したいように子どもたちはいろいろ挑戦し始めるのですね

子どもたちは
「色セロハンの組み合わせて色んな色を発見した!」って知らせにきてくれます
けっして、見た目はまだまだきれいなものではなく、まだまだへたっぴなものですが
その作品にはその子の表現したいストーリーがありました

そういうものに一緒によりそっていける先生の仕事って楽しいなぁと思います
どんなものができるのかとても楽しみです
子どもの作品っておもしろいです

ランプに針金ぶら下げて、ハンドバックだって
何が入るんでしょうかねぇ

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