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本ができるまで



今週末は原稿の最終チェックに追われています
ふとふりかえってみると、「ただの一般人の私がどうして本を出すことになったのか?」

普通の先生として、ただ普通にやっている自分(ちょっと変わっているところも自覚はありますが)に
どうしてこんなビックチャンスがきたのか

そして、どんなプロセスで本ってできあがっていくのか
こういうことはあんまり情報がなく、一般に知られていないことが多いかと思います

今日は「本が1冊できるまで」どんなプロセスだったかを私の本でふりかえってみます
初出版『子どもの力を引き出すクラスルールの作り方』の作り方です



年末から売り切れておりますが、出版社に問い合わせるとすぐにおくっていただけるはずです

昨年の6月ごろでしたか、LAFT仲間のクニから
「若手の先生で本を書く人がいないかさがしているだけど、ナオトを推薦したいんだけいい?」
とメールをもらったのがきっかけ
クニはそのとき、すでに『学級が変わる!授業が変わる!「クラスファシリテーション」入門 』を出していました
編集社の方から、だれか身近な人でお薦めの人がいないかと訪ねられたようです





そして、さっそくクニといっしょに編集社さんの待つ飯田橋のオフィスに伺いました
飯田橋は学生以来で久しぶりの街

こじんまりとしたオフィスに伺い、いかにも色々な編集作業がされている場
見たことのある「ドラえもん」のゲラのようなものが色々と目に入ってきました
担当の編集者さんのお二人とクニと私の4人で「打ち合わせ」という名の顔合わせです

あいさつを交わし、こんな様子でクラスづくりをしている話をし始めると
「こんな企画があるんですが」と2本の企画を提案されました
「伊垣さんに合うのはこちらの企画ですかね」
とまだ海のものとも山のものとも分からない私を信頼して「クラスルール」の企画を預けてくれました

出版界はけっこう著者推薦といった信頼で成り立っているような感じで
私の想像していた「売り込みに行ってかくぞ!」というイメージとはほど遠いものでした
その後、クニと興奮冷めやらぬ気持ちでタイメシを食べたのを今でも覚えています

出版社はいくつかの企画を立ち上げ、それが編集社に預けられ直接、執筆者と編集社でやりとりされるようです
執筆者が主にやりとりするのは編集社
私の場合、出版社とは直接やりとりはあまりありません

そして、2回目の「打ち合わせ」でどんなことが書けそうなのか目次作りを編集社の方とスタート
私についてくれた担当の編集社の方はとても穏やかでジェントルマンな方
私の持つ思いを上手に引き出してくれ、「これはぜひ書いてみたいぞ!」と思える目次ができあがりました
実はここでの出会いが大きいかと
編集の方とうまくいかないとなかなかいいものができあがらないのも事実です
私の場合は、幸せな出会いでした

目次が決まると、そこからが執筆の一人旅の始まりです

しかし、書く気持ちのワクワク感と、上手く書きたい期待感があいまってなかなか筆が進みません
たたき台として目次をつくったのが夏頃でしたので夏休みはじっくり書けるはずでした
でもいきなり170ページ近い文章を書けるはずもなく、ただただ時間だけが過ぎていき
それに反比例するかのように「書かなくては」とく焦燥感に駆られて夏を過ごしました

2学期が始まり、運動会やクラスのことで夢中になり、原稿のことを忘れ始めていた頃に
「原稿のすすみはいかがですか?できあがったものから送ってください」と返信するに
申し訳のないメールが届くようになりました
すると、ますます「書かなくては」と「うううおおおお、書けない」と
追われる犯罪者の気分で週末を過ごすことに

今思えば、「まず机に座る」でスイッチが入り書き始められるのですが
「いいものを書かなくては」とく自分に無理なプレッシャーを知らず知らずのうちにかけはじめてしまって
なかなかすすまない
なかなか進まないから、申し訳なくなり、ますます引きこもってしまう
という悪循環にはまっていた時期もありました
自分の弱さと対面することとなりました

そんなときも編集社の担当の方はのんびりと待ってくださりました
その優しさを裏切れないと思うと、また苦しくて
どうして、子どもの頃から作文の練習をしてこなかったのかと自分を呪っていました笑

と、そんなもんもんとした時期を3ヶ月ほど過ごし
「もう後がありません!」というメールをいただいた頃からようやくスイッチが入り始め
少しずつ書き上げた原稿を毎週末メールで送ることの繰り返し
季節はもう秋を通り越し冬になろうとしていた頃でした

11月下旬
この日までには原稿全てを仕上げないと、春の出版には間に合わないという時期まで来ていたと思います
教育出版界では春の新年度をむかえる頃が一番本が売れる時期
そこを逃しての出版はありえないとされているほど、そこまでに期限を間に合わせることは必須なこと
聞かされていて分かっていただけに、モチベーションはありましたが
なんとラストスパートのところで私は体調を崩してしまいました

週末にしあげるはずの原稿はできずに、安静に横になっているしかありません
しかし、締め切りがあるので体は安静ですが心中、穏やかではありません
今となっては笑い話ですが、このときはもうこのまま逃亡してしまいたいと本気で思っていました笑

後で知ったことですが、編集社の方は大晦日まで編集作業をされていたようで
「あのときはどうなることか」と笑って打ち上げで話されていましたが
期限を守らないといろいろな人に迷惑をかけることとなってしまいます
誤解の無いように断っておきますが、せっつかれ感はまったくなく
私は書きたいことをのびのびと書かせていただきました

また、執筆と併せて、自分の実践の質を下げてはいけないことも自分に課していたため
よけい苦しかったのかもしれません
ゆとりをもった計画はとても大事なこと、特に初めて挑戦することへは必要なのだと
「体験的」に分かってしまいました あーあです。

そんな経験もあってか、今年2冊目の原稿は昨年よりも2週間ほどはやく書き上げることができました
まだ、ぎりぎりですが…

原稿を仕上げて送ってしまうと、一山越えます
年の初めに、編集された原稿ゲラがあがってきてそれを細かくチェックします
そして編集社で最後の打ち合わせ

2冊目は取材が入ったので、その調整や子どもの写真使用の許可、写真提供などこまごまとした作業も
結果、1冊目はiPhoneで撮った写真も使うことに
そういう意識で撮っていないので準備はおこたらないことですね

そして、3月中旬に製本された本が我が家に届いたときは、ほっと一安心と
自分の中でセルフイメージが大きく変わりました
そんなつもりで書いてはないのですが、やはり出版は大きな自信となるものですね

この10年間を思い起こすと、本気で冊子にまとめたものは「5年次研修」の冊子ぐらい
でも、そのときは当時の教頭先生に大変お世話になり真剣にそのときの学びを全部文字にしたのを覚えています
節目を迎えるにあたってこうやってまとめることは後々大きな力になることを学びました

そして、新年度が始まり4月に編集社の方と打ち上げ
かなりの盛り上がりを見せ、わがままいってわざわざオフィスに戻っていただき
本を大量にゆずってもらいました

今回、私の担当になってくださった編集社の方
とても文章がするどく、私のいわんとしていることをいとも短い文章でまとめてくださります
駄文がいとも上手に文章になっていくのは「なるほどこう書くといいのか」とモデルとなりました
上手く書くコツをたずねると「たくさん書くこと」だそうです


ここからはちょっと裏話
私は自分の本は著者だから100冊ぐらいもらえるものだと思っていました笑
ですが、そんなことはありません
よく献本などでおくっていただいていた本は実は実費で買っていた本なんだとこのとき分かった次第
もちろん、定価よりは少し安く買えますが、基本は著者でも購入
昨今の本はなかなか売れないとききます
やはり先生はたくさん本を買って、出版界を盛り上げないといけないなぁと思います

書きたいテーマがあったら売り込むとよいです
1冊目が書き終わると「もうあんな辛い思いはするものか!」と思うものです
これは正直な気持ち
でも、不思議とまたふつふつと書きたくなるんですね

そんなころにまた声がかかります

そして、出版社の方と、編集社の方で一緒に「顔合わせ」が始まります
そのときに、「こんな本を書きたい!」と提案できるものがあればいいんです
私の場合は、2冊目は自主学習ノートと決めていたので、実際の自主学習ノートを持って行きました
あのランドセルに入りきらない厚さの本物のノートをみると迫力ありますから笑
共感していただけ、よしやってみよう!ということになりました
そうやってそのとき提案された企画とは別に「自主学習ノート」の企画がスタートしました



なにが言いたいのかというと
私の周りにもすてきな先生がたくさんいます
そんな仲間たちにエールを送りたく書きました

仲間の中には、将来きっと本を書くだろう方がたくさんいます
「本を書くのは苦しいので今のうちに書きためておくといいよ」と伝えたいのです
私たち若手を呼ばれている先生たちが力をつけ、磨きをかけ、これからの教育を担っていく大きな役割があります
私だってたいした実践力も文章力もまだまだ、これから切磋琢磨です

ただ、こうやって2クールまわしてみると、書くコツがたった一つだけわかりました
「まず、書き始めること」
私はまずマインドマップで何を書きたいのか発散してから文章にしました
そして、そのマップ化された一枚をみながら書き始めると、どんどん書きたいことがふくらんできます
まずは、「机につく!」
実はこれは子どもたちに話しているように家庭学習といっしょだったことがおもしろくもあり含蓄深い学びです



誤解をおそれずに、本のできるまでのプロセスを書いてみました
これは、本を自分のために書くことではありませんし、自分の名を売り出すためでもありません
(結果として、大きな影響力はありますが)

実践をまとめ、世に問うことはとても貴重な機会でもあり、フィードバックをもらえ実践に磨きがかかるチャンスでもあります
また、文章になおすことで、自分にどこがかけているのか、また、理論的にはどういう背景があるのか学び直しが行われます
結果、教師としての力量をあげることと必ずなります

「本を書くための実践」をしているのではなく
良い実践だからこそ、結果、そういうチャンスが回ってくるんじゃないでしょうか
そこをよく戒めつつ、出版はひとつひとつの実践を整理する機会として、またとないチャンスです

そういう色んな願いがこもった本
ぜひ、身銭を切って買い、速読せずに(私はいえませんね)じっくりと筆者と対話しながら読みたいものです

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